プロが見た空き家になった実家のリアルな現場【処分できないモノ編・長男長女の事情編】
こんにちは!
不用品回収・片付け・整理業 長野県松本市 ホームサービス松本店です。
日頃より弊社に片付け依頼をしていただき誠にありがとうございます。
これまで数多くの実家片付けを行ってきましたが、その中で空き家にもいろいろとあることが分かりました。
持ち主の方がお亡くなりになり、他の場所に住む遺族が家を相続されて、空き家になった場合によくあるのが、思い出を残すために処分を行わない。処分をしようとしても、なかなか手を付けられないといったケース。
また持ち主が存命中でも、介護施設への入居などで別の場所に移った場合によくあるのが、移った先が気に入らなければいつでも戻れるようにと残す。いつかは退院して戻れると信じてそのまま残すなど、空き家になる事情は様々です。
本記事では空き家の実態と、空き家になった理由、現状についてさまざまな事例をもとに、数回に分けて解説いたします。
今回は「実家の片付けが進まないモノと、親と離れて暮らす長男長女の事情」についてご紹介します。
◆ 実家を空き家にする片付けられないモノ
専門的な研究資料はわからない
親が先生をされていた家には、特徴があります。
大学の教授とか准教授であれば、研究資料がたくさんあります。
小学校、中学校、高校の先生であれば、教え子さんから卒業のときにもらった色紙とか、アルバムなどが山ほどあります。
亡くなった親の生前の仕事の証であったり、教え子さんからもらって大切にとっておいたモノ。
これは引継ぎがされていないかぎり、なかなか捨てられません。
大量にある場合は、それらがネックとなって部屋の片づけができなくなりがちです。
○○市の3LDKの現場は、亡くなったお父さんが大学の教授でした。
整理をすると、手紙やハガキに「〇〇教授」「〇〇先生」と書いてありました。
そして研究に使ったであろう、さまざなな資料や本が、ひとつの部屋いっぱいに残されていました。
ご依頼主の息子さんも高校の先生をされているとのことで、それらの資料がお父さんにとっていかに大切であったかが理解でき、もしかしたら貴重な資料もあるかもしれないと考え、手がつけられないまま空き家になっていました。
専門的な資料は、一般の人にはまず価値がわかりません。
遺族にとっては処分しにくいモノなのです。
処分に困ったセミプロ画家の作品
ひとり暮らしをされていた、セミプロ画家の方の家に、遺品整理にうかがったことがあります。
会社員と並行して絵を描き続けておられ、ある程度の展覧会に選ばれるくらいのレベルだったそうです。
ご依頼主は息子さんでした。
50~60枚くらいの完成した油絵と、大きなサイズのデッサン画がたくさんありました。
息子さんには作業の3日間、毎日来ていただいたのですが、自家用車で来て、その絵を少しずつ持ち帰っていました。
それでもせいぜい20枚程度です。
残っているのは、まだ50枚以上はあったと思います。
あくまでもセミプロですから、美術品としての価値はないのですが、父が残した絵は捨てづらいのでしょう。
「せめて生前に、残しておきたい何枚かだけでもわかっていれば」と、気の毒に感じた現場でした。
Point
- 親の仕事や趣味を象徴するモノ、専門的なモノは捨てづらい。
- できれば生前に、残したいモノを本人に分けてもらう
◆ 親と離れて暮らす長男長女の事情
遠方から空き家の実家に通う遺族もいる
さまざまな事情から、実家の遠方に暮らす人たちがいます。
実家が〇〇市で、現在は▲▲町に住んでいる45歳の主婦の方からご依頼がありました。
ひとり娘なのだそうです。
この娘さんの場合、〇〇市の実家は6年近く空き家になっていました。
長年、離れて暮らしていたために、生前の引継ぎをする機会がなかったのです。
それでも、四十九日後に、私たち業者に頼むなりして家の中をカラにさえしておけば、あとは建物の処分の段階に進めて、空き家にはならなかったはずです。
しかし「いますぐ片付ける必要はない」と、6年間そのままにしていました。
ですが、この娘さんが実家に無関心だったかと言えば、そうではありません。
ある程度の頻度で▲▲町から実家のある〇〇市に通っていらっしゃっていたのです。
遠方だからこそ気になり、たとえ遠くても行ってみるのです。
そして、目についたところを掃除して、
お父さんやお母さんと、この家で暮らしたよね
と思い出し、鍵をかけて帰る・・・。
すると、一旦片付けのことが忘れられるのでしょう。
実家の片付けというできれば取り組みたくない作業への責任感からひととき解放されるために、娘さんは遠方から通っていたのかもしれません。
長男長女が責任を感じてしまう
〇〇市からいらしたのは、長女と弟さんでした。
5年以上空き家のままだった〇〇市の片付けをしたいということでした。
現在では、お姉さんが主導権をもち、「法律事務所をしていた父宛の郵便物と、貴重品の保管をお願いします」とおっしゃっただけで、作業は私たちにお任せでした。
私の想像ですが、お姉さんは、「私がちゃんとしないと、また空き家のままになってしまう」と責任を感じていらっしゃったのではないかと思います。
長女の責任として、これ以上ご近所に迷惑を掛けるわけにはいかない。
しかも〇〇市住んでいるから時間を掛けるわけにはいかない。
どうもそのように思えて、「やっぱりあんな片付け方をするんじゃなかったと後悔しなければいいのだが・・・」と感じました。
Point
- 遠方からときどき実家に帰ることで安心してしまうことがある
- 責任を感じて一気に片付けると後悔することもある
【出典】著者:内藤久 図解 親ともめずにできる これがリアルな実家の片付けです。 ディスカヴァー,2017,P.68 P.70
実家や空き家の片付けをしたいが、両親が使っていた家財道具が多すぎて何から始めていいのか判らない・・・ズルズル引きずってしまい、いつまで経っても片付けが進まない。
また、
ご自分で行えるか?
業者にお願いするべきか?など、
迷われている場合も、私たちが適切にアドバイスしますので、お気軽にお問合せくださいね。
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