プロが見た空き家になった実家のリアルな現場【兄弟の気遣い事例・本人が生前整理した事例】

こんにちは!
不用品回収・片付け・整理業 長野県松本市 ホームサービス松本店です。

日頃より弊社に片付け依頼をしていただき誠にありがとうございます。

これまで数多くの実家片付けを行ってきましたが、その中で空き家にもいろいろとあることが分かりました。

持ち主の方がお亡くなりになり、他の場所に住む遺族が家を相続されて、空き家になった場合によくあるのが、思い出を残すために処分を行わない。処分をしようとしても、なかなか手を付けられないといったケース。
また持ち主が存命中でも、介護施設への入居などで別の場所に移った場合によくあるのが、移った先が気に入らなければいつでも戻れるようにと残す。いつかは退院して戻れると信じてそのまま残すなど、空き家になる事情は様々です。

本記事では空き家の実態と、空き家になった理由、現状についてさまざまな事例をもとに、数回に分けて解説いたします。
今回は「義理の兄弟姉妹の気遣い事例・亡くなる本人が生前整理した事例」についてご紹介します。

◆ 義理の兄弟姉妹は案外冷静視点をもっている

義弟の気遣いで空き家トラブルがなくなった

○○市の空き家の片付けで、非常に印象に残っているお宅があります。
ひとり暮らししていた男性が亡くなって、家は妹さんが相続されました。
妹さん自身は▲▲県にお住まいということもあり、気持ちの引継ぎ、モノの引継ぎができていなかったのでしょう。
なかなか片付けに着手できず、空き家になっていました。

ところが、亡くなったお兄さんの空き家の手入れを、妹さんの旦那さんが続けていたのです。
つまり故人からすれば、義理の弟さんです。
▲▲県から〇〇市まで、一ヶ月に一回くらいのペースで通って、主に庭木の手入れをされていました。
非常に律儀な方で、いらっしゃる都度、ご近所にもごあいさつをしておられました。

空き家の実態を知っているからメンテナンスを続けた

義理のお兄さんの庭の手入れを続ける弟さんの心理を想像してみると、ひとつは妻への思いやりだと思います。
兄を亡くした妻が、空き家を片付けられないでいる。
その気持ちがわかったのではないでしょうか。
もしかすると、ご自身が実家を空き家にした経験があったのかもしれません。
だからこそ、妻の心理がわかり、無理に背中を押すのではなく、気持ちの整理がつくのを待っていたのかもしれません。

そしてもうひとつ、空き家がご近所からどのように見られるのかもわかっていたということでしょう。
すると庭木の枝が伸びることを心配し、通うたびにご近所にあいさつされていたことも理解できます。
実際、そのお宅は空き家という雰囲気がまったくありませんでした。
けっこう人通りが多い角地に建っていましたが、最低限の管理はしてありましたから、空き家であるけれども、治安面の不安はまずなかったと思います。

ほとんどの人は、実家を空き家にすることで、どんな問題が起きるかを知りません。
知らないから、つい片付けられないまま放置してしまうのです。
このお宅は、空き家の実態を知っていて、片付けないままでも問題を未然に防ごうとしていたという珍しいケースでした。

Point

  • 義理の兄弟姉妹の視点が有効なときがある
  • 空き家の実態を知っていると、問題を未然に防ぐことができる

◆ 亡くなる本人が生前整理した事例

理想的な生前整理を自らした大学教授

私の仕事は遺品整理業ですが、生前整理のご依頼を本人から受けることもあります。

〇〇市の、大学の名誉教授のお宅ですが、何度か生前整理を依頼されたことがありました。
いちばんはじめに現場に入ったときに、感謝状や表彰状が部屋にかかっていたので名誉教授だとわかりました。
和室の部屋のひとつが書斎で、研究書や難しそうな資料、封書などがたくさん置いてありました。

私が感心したのは、本棚の一角に付箋が貼ってあって、「ここの部分だけは、何かあったら、大学の人に渡してくれ」と書いてあったのです。

これは教授本人にしかできないモノの引継ぎです。
あとのモノはいらないよというわけです。

繰り返しますが、専門性の高いモノは、一般の人間には本当の価値はわかりません。
生前から「これはこうしてほしい」という意思表示があることで、遺族は助かります。
これが本来の意味での生前整理であり、実家の片付けの本質です。

余命を知って、残す1パーセントを自ら決めた男性

●●市のご依頼主は、突然胃が痛くなって病院に行ったところ、末期がんで余命1週間から10日と宣告されたとおっしゃっていました。

大手メーカーの仕事でブラジル暮らしが長かったそうで、奥様もブラジルからいらしていました。
2DKのアパートの2階にふたりで暮らしており、1階はちょっとした倉庫のようになっていて、仕事の道具などが保管されていました。

ご本人は、とにかく奥様に負担を掛けたくないとおっしゃっていて、「自分で荷物を整理しかけたのだけれど、よく考えたら、子どもがいるわけでもないし、残すものは何もない。妻の持ち物以外は全部処分してほしい」とのことでした。
そして、自分の遺品として、ふだんかけているメガネを奥様に渡しました。

ご依頼主

「あとのモノは全部いらない。これだけを自分のつもりだと思ってくれ」


と・・・。

その方は、1週間後に亡くなりました。
約束してありましたので、奥様から連絡をいただいて最後の整理に伺いました。
部屋はきれいにカラになり、奥様はブラジルに帰られました。

Point

  • 自ら生前整理しておくと、遺族が困ることがない
  • 生前整理しておくと、残された人の負担が減る

【出典】著者:内藤久 図解 親ともめずにできる これがリアルな実家の片付けです。 ディスカヴァー,2017,P.72 P.74                                                                                                                                                                                                 

実家や空き家の片付けをしたいが、両親が使っていた家財道具が多すぎて何から始めていいのか判らない・・・ズルズル引きずってしまい、いつまで経っても片付けが進まない。

また、
ご自分で行えるか?
業者にお願いするべきか?など、
迷われている場合も、私たちが適切にアドバイスしますので、お気軽にお問合せくださいね。

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